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ABCマートに見る業態転換・M&A

突然ですが、私はABCマートが好きです。
私は中学校、高校生地代ににバブル経済を体験しました。
当時はDCブランド全盛期。
とは言っても中学生、高校生ですから使えるお金は知れています。

そんな中で、当時はやっていたのが、Hawkinsというブーツのブランドです。
私も欲しかったのですが、そのHawkinsを売っていたのがABCマートです。
ABCマートは、他の靴の小売店と比べて非常にオシャレで光って見えました。

今思うと、なぜDCブランド全盛期でHawkinsなのかは
良くわかりませんが(笑)、大人になったような気がしたかったのでしょう。

さて、今回のタイトルですが、日経新聞に
経営者が中間管理職だったころを振り返る「私の課長時代」という記事があります。


先週、今週の回がはABCマートの野口実社長の話だったので、一ファンとして
ミーハーな気持ちもあって興味深く読んでいたのですが、実は
ABCマートは業態転換や事業提携、M&Aという視点でも非常に興味深い企業です。

今回の記事の中でも以下の点が面白いと感じました。

・ABCマートは元々は輸入服の卸・販売業だった
・Hawkinsは95年に英社から商標権を買っていた
・2002年に卸から小売りに一本化した。現在は国内に770店舗。
・業態転換するきっかけの一つに大手取引先の問屋の倒産があった。
・小売に業態転換する中で社員の不満とも向き合った。
 商社に入ったと思ったのに小売業特有の土日出勤に抵抗のある社員に対し
 自分が売り場に立ち、率先垂範した。


服の卸が、靴の小売へ業態転換し、看板製品は商標権を買ってしまった、
と言うことですが、コンサルティング、M&Aに携わる立場で考えると、
これだけの決断や実行は相当難しいと思います。
特に業態転換は理屈ではその通りなのですが、多くの企業では
なかなか変わろうとはしません。

以前に野口社長が別の記事で、売り場には毎週出るというのを
読んだ記憶がありますが、それにはこういう背景があったのかと思いました。

最近ではABCマートは、米国ホワイトブーツ社(高級ブーツメーカー)買収や
少し前では、米国ラクロスフットウェアや、そのOEM供給先の石川県の靴工場の買収等
M&Aでもでも有名です。


卸⇒小売⇒製造と事業領域を広げる様は、非常に興味深いです。
最近ではHawkinsのブーツははいていませんが、ABCマートの店頭に行ってみたくなりました。

今回の記事を読んで、改めて、新たな業態を創る事業提携やM&A
サポートをしたいとの意を強くしました。


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巨大企業グループに見る事業承継

今月は、日経新聞の私の履歴書はインドの巨大企業グループである
タタグループの名誉会長であるラタン・タタ氏が書いておられます。


タタグループは2008年にグループ内のタタ・モータースによる低価格車「ナノ」や
今年に入ってからは、タタ・コンサルタンシーサービシズと三菱商事の合弁事業が有名です。

しかし、海外の企業であることと、財閥のように様々な業種業態の企業を
グループ化しているため、なんとなく遠い会社のように感じていました。

そうした中で、今回、ラタン・タタ名誉会長の私の履歴書を読んでみて、
私には特に事業承継という観点で参考になることがたくさんありました。

今でこそ巨大財閥のような企業体となっているタタグループですが、
この1週間ぐらいで書かれているラタン・タタ氏が
グループ経営を担う頃のエピソードは特に参考になります。

・先代はグループ会社の経営者が優秀と考えると、経営を完全に任せてしまう。
「自治権」を与えているようなものだった。結果として多数の「国王」や「独立国」
 が君臨していた(16回)
・5代目会長就任と同時に先代の築き上げた“負の遺産”にも対峙することになった。
 国王のように君臨する長老が残っているためである(17回) 
・グループ5代目に就任するとグループの改革の着手することにした。
 抵抗する長老たちが大勢いたため、逆境で奮闘する西部劇のヒーローのような心境である。(18回)


規模の違い、国の違いはありますが、どの企業でも起こりうる
事業承継の出来事が当事者の視点で書かれています。

非常に厳しい環境の中で「西部劇のヒーロー」というポジティブな意識は
重要なのだろうと思います。

また、同じく19回で経済規制の緩和をきっかけに外資との競争が激化、
その中で以下のような手を打ったことが書かれています。
・定年制の廃止
・ロゴマークの統一
・グループ内企業への出資比率引上げ


タタグループもグループ内企業への出資比率が低く、
企業の統一感も取れないようなことがあったのかと思うと
こうした改革を成し遂げたラタン・タタ氏はすごいと単純に感心します。

こうした改革でグループの基盤を固めつつ、鉄鋼会社のコーラスの買収も含む
多数のM&Aを成功させ、巨大グループへと「飛躍」をしていくことになります。

私の履歴書は月単位ですので、ラタン・タタ氏の回も、残すところあと一週間ですが
これをきっかけにタタグループのM&Aも研究してみたいと思います。

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戦略的ビジョンとM&A

前回から間が空いてしまいましたが、ご紹介をしていた
戦略的ビジョンを考え取り組む研修である「戦略的ビジョン構築研修」を昨日、弊社の東京本社で実施致しました。

私の今の主な仕事は、M&Aの仲介・アドバイザリー業務ですが、
コンサルティング会社である弊社がM&Aに関する業務を行う上で、
この「戦略的ビジョン」を考えることは非常に重要だと考えています。

ビジョンを語ることは難しくありませんが、
ビジョンを目指すための具体的なアクションの実行、
社員とビジョンを共有するこはなかなか難しいことです。

昨日はオープン参加型研修ということで、色々な企業様に参加頂きました。
参加者はビジョンを考える立場の方ですので、後継者の方々が中心です。
受講者の参加動機で共通するのは、現状の事業に対する将来への不安です。

一言で言うと、
「先代のビジネスが今後いつまで続けられるのだろう」かと言うことです。
そして
「新しいビジネスを作り出していきたい」という考えを持っておられます。。


こうした中で戦略的ビジョン構築研修は進んでいきます。
研修には様々な内容が盛り込まれていますが、私が一番難しいと感じるのは
目標設定のための「戦略的思考」です。

「戦略」を弊社代表の長尾は著書「戦略の見える化」で
「最少投入で最大効果を生む方法」と定義をしています。
戦略実現に向けて重要なことは「長期的なビジョン」を考える必要があるのですが、
何が難しいかというと、現状の制約に縛られて自由な発想ができないことです。

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新しいことを考えようとすると、現状の人、モノ、金の経営資源に縛られてしまい
発想ができないという悩みが出て来ます。

実は私はこれだけでも、研修は成功だと思っています。
と言うのも、それくらい難しいことに気付いたことが重要なのです。
「ビジョン」というのはそれ位、示すのが難しいものなのです。

こうしたスタップを踏みながら、考えたビジョンを見える化する手法について
講義、実践をしていきます。「ビジョンマップ」と言う手法です。


「ビジョンマップ」では向こう20年のあるべき姿を実現するストーリーが示されていきます。
受講者の皆さんもいろいろとお悩みの結果、明るい未来を描いて頂いていました。
この中には多くの企業様で、M&Aというキーワードが出てきます。
ビジョン実現に向けて、M&Aは必須なのでしょう。


昨日も多くの企業様のお考え、お悩み、未来について議論することができました。
ビジョン実現に向けて、M&Aでお役に立ちたいと思っています。


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事業承継のためにビジョンの見える化を!④

ビジョンの見える化で重要なステップはビジョンマップの作成です。

ビジョンマップと言ってもお分かりになりづらいと思いますが、
これはバランススコアカードの戦略マップの考え方を基にしています。


戦略マップ及びバランススコアカードについては、多数の書籍も出ていますし
弊社の専務取締役の本道が詳しいので、ここでは詳細は述べません。
要約すると、会社のあるべき状態を、
①財務の視点 (売上、利益等の財務指標の視点)
②顧客の視点 (顧客満足度、市場占有率等、顧客からの評価、要望の視点)
③業務プロセスの視点 (社内の業務手順、仕組の視点)
④人材と変革の視点  (社員レベル、社員満足度等 主に人に関わる視点)
の4つに分けて、それぞれを関連付けて考えるのです。

これは一見難しそうですが、私は非常に良くできた区分だと思います。
というのは、組織はこの4つの視点をいかに組み合わせるかが重要なためです。

前回の例の吉野家で考えると、
(現状)
①売上、利益 ②「うまい、安い、早いが良い」
③チェーンオペレーション ④アルバイト教育、店舗巡回担当教育
というイメージです。

①財務を高めようとするためには、②顧客による評価が必要です。
②顧客の評価を得るためには、③業務プロセスを磨く必要があります。
③業務プロセスは、最終的には④の人材に代表される経営資源によって支えられています。

私どもはコンサルティングを行う際にこの手法を用います。

前回からお話している「自社は何業か」という事業ドメインは
一言では表すことができるものの、上記の4つの視点のような説明はありません。

従って、この事業ドメインを実現するために、具体的に
①いくらの売上、利益を生むことができるか、何をどれくらい売るか
②どんなお客様からどのように支持されたいか
③それを行うためにどのような仕組、手順が必要か
④仕組、手順を実現するために必要な経営資源(人、モノ、金、情報)
は何か
を明らかにしていくのです。

こうしてビジョンマップに落とし込みをすると、
①の売上、利益まではいわば掛け声で、今の10倍にするといった威勢の良いことが言えますが
②、③、④と掘り下げていくと、具体化できないことが出てきます。
あるいは描いてはみたものの、まったく新しい市場のため、どんな業務プロセスが必要か、
見当もつかないものが出てきます。

もちろん、描けるに越したことはありませんが、私は描けなくも良いと思っています。
むしろ、自社で全部できないことが早めにわかれば、そうした業務分野に知見のある人材のいる
会社と提携するという方法もあります。

我々は資本提携、事業提携といったM&A仲介事業を行っていますが、
考え方の原点はこうしたビジョンマップによる、ビジョンの見える化です。
M&Aや提携はあくまで、ビジョンを実現するための手段で、
大事なことは皆が取り組みたいと感じるビジョンを、いかに魅力的に伝えられるように
するかだと考えています。

これらの例は具体的なものは、弊社代表の書籍「戦略の見える化」や
実践編として「戦略的ビジョン構築研修
」というオープン型の研修も行っております。
ご関心のある方は是非ともお声掛け下さい。

戦略的ビジョン構築研修


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事業承継のためにビジョンの見える化を!③

前回、事業ドメインは「自社は何業か」を定めるものであると
お伝えしましたが、今回は事例を基に、この点を掘り下げたいと思います。

マーケット縮小時代には、これまでの同業者からいかに差別化するかが重要です。
弊社では差別化の切り口として、物理的ドメインから機能的ドメインへと提唱しています。

本件は弊社代表の著書である戦略の見える化
詳しいのですが、最近の事例でも説明をしてみます。

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5月23日付の日経新聞で吉野家ホールディングスの安部修仁会長が経営の第一線から
退くという記事が出ていました。


吉野家と言えば牛丼です。
牛丼を販売する牛丼店というのは物理的ドメインです。
機能的ドメインは「早い、うまい、安い」です。
牛丼は注文してから食べ終わるまでに平均7~8分という恐るべき高回転率です。
早い、うまい、安い、どれか1つではなく、3つを両立したことが顧客にとっての価値だったのです。
余談ですが、昔流行ったキン肉マンというアニメでも「早いの、うまいの、やっすいのー」という歌が歌われていました。
30年近く前に見たアニメですが、今でも歌を思い出すほど強烈な機能的ドメインです。

吉野家はこの「早い、うまい、安い」の機能を牛丼に込めて、磨き続けることで、成長をしてきました。
しかし、同時にこの「早い、うまい、安い」に追づいする他のファーストフード、コンビニ業界、
中食産業も成長してきました。


加えて、2003年のBSE(牛海綿状脳症)は吉野家にとって大打撃でした。
「早い、うまい、安い」の機能を実現する上で重要な米国産牛肉の仕入れが困難になったためです。
牛丼店としての吉野家は同業他社に比べてやや勢いを失ったかに見えました。

しかし、さすが吉野家です。
「はなまるうどん」、ステーキチェーンの「どん」等を買収し、多角化への布石を打ってきました。
そして、事業ドメインとしての極めつけは大ヒット中の「牛すき鍋膳」です。
牛すき鍋膳は牛丼の7~8分に対して、注文から食べ終わるまでに15分から20分かかります。
従来の「早い、うまい、安い」の機能的ドメインには当てはまりません。

この記事で私が注目したのは、牛すき鍋のキャッチフレーズを
「うまい、安い、ごゆっくり」に変えたという点です。
「うまい、安い、ごゆっくり」とすることで、顧客の価格志向から価値志向への変化に
うまく対応できたのが大ヒットにつながったのです。

キャッチフレーズと書かれていますが、吉野家の現在の事業展開をみていると
機能的ドメインと言い換えても良いと思います。


この機能的ドメインの変更は、言葉で表すと簡単なのですが、
実現し継続することには大きな困難が伴います。


しかし、時代の変化、環境の変化に対応していかないと企業は生き残っていくことができません。

御社の機能的ドメインは何でしょうか?
ぜひお聞かせください。
そしてその機能的ドメイン実現のための手段として、M&Aを考えてみましょう。


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プロフィール

森 利彦

森 利彦 早稲田大学商学部卒業。
小売業、リース会社を経て、NIコンサルティング入社。
250社以上の可視化経営に関わるコンサルティングを実施後、教育研修事業、M&A事業に携わる。
中小企業診断士 PHP研究所認定ビジネスコーチ。

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