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日本電産のM&A②

最近、日本電産関連の書籍をよく読んでいます。
以前から一度研究をしたいと思っていたのですが、M&Aがきっかけで読んでいます。
前回に引き続き、日本電産のM&Aについて書きます。

今回は「日本電産 永守イズムの挑戦」日経新聞社編という書籍を読んで得た内容です。
この本は2004年12月に初版が出ていますので、今から8年前の内容です。
この書籍を選んだ理由は第一部で120ページ強に亘ってドキュメント形式で
M&Aでグループ企業となった三協精機製作所再建について触れられているからです。


三協精機製作所は1998年の長野オリンピックで金メダルを獲得した清水宏保選手も
所属したことでも有名ですが、オルゴールを初めとした老舗精密機械メーカーでした。
しかしこの会社は経営難に陥り、2003年に日本電産が第三者割当引受を行ったのです。
三協精機製作所は日本電産にとって、23社目のM&Aでした。
そのM&Aの話の始まりから、M&Aの意思決定、M&A後の内容が書かれているのが本書です。
この中から印象に残った部分を抜き出してみます。

(1)意思決定の要素
M&A検討には様々な要素が関係しますが、永守社長は本書で以下のように言っています。
「私は会社を買収する時技術しか見ていない。技術さえよければ、他のものは相当悪くても良い、、、」
「技術については、技術イコール人材やから最低10年かかる、、、、」

M&Aは時間を買うことと言われますが、育むのに時間がかかる技術力の優先度が高いこと分かります。
三協精機は当時財務内容が相当悪く、反対意見もあったようですが、永守社長によるぶれない基準で
判断したことが窺えます。

(2)出勤率98%以上
永守社長が三協精機の社員に向けて送ったメッセージと再建のための具体的な項目では
以下の項目が印象に残りました。
・出勤率=全職場98%以上(まず、休まず遅れずが原点)
・1人の100歩より100人の1歩(全員参加の経営改革)

社員モラール向上の内容ですが、経営再建中の会社の実態に即したものとなっています。
というのは、経営再建に至る会社は社員モラールが相当落ちているからです。

ここに目を向けて具体的な目標を設けることは重要です。
売上、黒字化、利益率等の財務目標に加えて、日々取り組む目標を設け、
達成していくことで達成感に満ちた前向きな空気を作り出すための工夫だと考えます。

(3)自腹の「餌付けーション」
(2)では他にも労働時間の延長目標のような厳しい項目も並んでいます。
いわば厳しい目標を共有、実行する一方、若手社員との昼食懇親会、課長以上の幹部との夕食会
を実施しています。これは餌付けと教育のエデュケーションを併せて「餌付けーション」という
呼ばれています。
この目的は社員と場を共有し、素直な意見を聞き、それを解決してくことにあると言います。
永守社長のすごい点は、これらにかかる費用は自分のポケットマネーで2,000万円(!)の
予算を組んだとことです。

更にそれまでに資本参加した会社は必ず個人筆頭株主になっています。
給料と講演料、そしてこの配当がポケットマネーの原資となっているとのことです。
この思い入れ及び本気度合は社員にも伝わるでしょう。

他にも沢山の工夫と取組がなされていますが、特に印象に残ったものを挙げてみました。
三協精機はその後、日本電産サンキョーと名前を変え、2012年9月26日には上場廃止となりましたが、
2012年3月期で売上819億円、経常利益62億の会社と見事に再建を果たしています。

私は本書を読んで再建が成功した理由を垣間見ることができました。
本書では書かれていない内容も多数あるとは思いますが、M&A成功に向けた取組が
文章として残っていることは貴重です。

今後も継続して研究、実践していきたいと思います。


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プロフィール

森 利彦

森 利彦 早稲田大学商学部卒業。
小売業、リース会社を経て、NIコンサルティング入社。
250社以上の可視化経営に関わるコンサルティングを実施後、教育研修事業、M&A事業に携わる。
中小企業診断士 PHP研究所認定ビジネスコーチ。

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