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オリックスのM&A

先週、金融サービス大手のオリックスがまたM&Aをするとのニュースがありました。
11月13日(木)付の日経新聞の夕刊、11月14日(金)の朝刊に大きく取り上げられていますが
会計ソフトの弥生をを買収するとのこと。


私はリース会社に勤務していたことがあり、オリックスの事業モデルには関心を持っています。

リース会社は元々は金融サービスを行っているものの銀行ではないため、ノンバンクという言い方をされていました。
しかし、オリックスはM&Aを駆使しながら、生保、損保、更には銀行事業もグループ内で行っており、
今や新聞の見出しでも「金融サービス」大手と書かれています。
細かいことかもしれませんが、リース業界出身者としては、感慨深いものがあります。

プロ野球チームのオリックスバッファローズの経営も既に長く行っており、
最近も積極的な事業展開をしているなとは思っていましたが、
今回のような会計ソフト分野への事業展開は興味深いです。

日経新聞の記事によると、狙いの一つは弥生会計の顧客基盤と書かれています。
オリックスの顧客は大企業・中堅企業が中心で、弥生会計が持つ小規模企業125万社の顧客基盤を
一気に手に入れることができるとあります。

一般にリース事業は、期間が物件によるが3~5年と長期になることが一般的です。
従って、小規模企業者に対する与信は厳しいくなります。
結果的に小規模企業者へはリースで取引をすることが難しく、取引は手薄だった可能性があります。
また、リースは手数料ビジネスなので、小規模事業者より取引量でスケールメリットが出る
中堅・大手を皆が狙いに行き、リース料率競争を繰り広げてきました。

価格ではなく、サービス面での差別化をリース会社各社が行っていました。

そうした中で今回のM&Aです。
オリックスはリース事業では与信面で取引が難しい小規模事業者に対して
グループ内の様々なサービスを展開することができる基盤が整ったのでしょう。
実際に、貸しオフィス、プロ野球、ホテル、ゴルフ場等、グループ内で様々なサービスを持っています。
こうしたサービスはリースと違って、商談サイクルも短く、現金決済が中心で与信もリースほどは問われません。
何より経営者への直接アプローチができます。


また、弥生が会計ソフトサービスを提供しているという点も重要です。
弥生が持つ顧客の取引データを活用したビジネスもできるでしょう。

しかし、これでオリックスは事業は更に広がりました。
オリックスはどこに向かおうとしているのでしょう。
社名に一つのヒントがあるのではないかと考え、会社のホームページを見ました。

すると、オリックスの社名の由来は
~「ORIX」は、独創性を意味する「ORIGINAL」と柔軟性や多様性を象徴する「X(∞:無限大)」を組み合わせて生まれた名前です。
理念である「"たえず先見性をもち創造性を追求する"積極的な姿勢」と「グループの有機的な結合」を表しています。~
~オリックス ホームページより~
とあります。
独創性、柔軟性、多様性を意味すると言う点で、社名が事業を体現していると言えるでしょう。

今後もこうしたオリックスの事業展開を研究していきたいと思います。
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教育業界のM&A②

前回は教育業界で「ナガゼ、早稲田塾を買収」について触れました。
今週も教育業界で気になる記事が出ていました。
11月6日付の日経新聞の「Z会」「ナガセ」少子化時代の勝ち組という記事です。

私は高校生の時、Z会の通信講座をやっていました。
受験勉強の経験のある方はご存知の方も多いと思いますが、
私が受験生の頃は、大学受験向けの通信教育と言えばZ会でした。
毎回毎回あっと言う間にやってくる締切に向けて、難問を解いて、
赤ペンで真っ赤な採点結果に一喜一憂していました。

そんな経験があるのですが、この記事を読んで驚いたのは
社会人向けの「Z会キャリアアップコース」という講座です。
英語の講義をネット再生で受講するというもののようですが、
通学の口座に比べて自由度が高く、社会人に支持されているとのこと。
中高生向けの教育で培ったきめ細かな添削指導が特徴となっており、
全体ではZ会24万人の会員の3%だが年率10%の割合で伸びているとあります。

更に、今後は資格取得予備校大手のTACと組んで、国家公務員試験や公認会計士
の通信教育を始めるとのこと。
TACは中小企業診断士取得に向けた講座も持っており、面白いコラボレーションだと思います。

前回も取り上げた東進ハイスクールを展開するナガセも大学生以上の大人向け講座を強化しているようです。

両社に共通することは、減少する高校生に対して、減少幅が少ない大学生及び
大人の市場へと積極的に進出していることです。


しかし振返ってみると、教育業界と言うのはこれまで市場が細分化されていたことに気づきます。
ざっと思いつくだけでも以下が挙げられます。
・幼児、小学生、中学生、高校生、浪人生、大学生、社会人という区分。
・塾、語学教室、予備校、通信教育、家庭教師、eラーニング等の学習手段の区分。

全体のマーケット縮小によって、これまでの業界の各プレイヤーが得意としていた
事業ドメインが維持できなくなってきていることがよく分かります。


教育業界は出生者数を基にして、比較的、生徒数、学生数の把握がしやすく
結果としてマーケット規模がつかみやすいように見えます。

皆さんの自分の商材のマーケットは如何でしょうか。

教育業界の状況は決して他の業界のことではないと、私は考えます。

自社がどこにいるか、どこに向かおうとしているか、そこに向かうための最適な方法は何か。
常に意識していたいと思います。

そして、最適な方法がM&Aであれば是非とも提案をしていきたいと考えます。


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教育業界のM&A

教育業界が揺れています。

これは大きくは2つの要因がきっかけになっています。
2つの要因とは代々木ゼミナールの教室数縮小と
大量の個人情報漏えいに伴う進研ゼミの退会者増です。

10月29日付の日経新聞では「代々木ゼミナールショック」と書かれていますが、
私大文系希望の浪人生を対象としていた予備校事業モデルは非常に厳しい状況に置かれています。

一方で進研ゼミを展開するベネッセは全国750の中小の学習塾と提携し、
進研ゼミの指導をできるようにするとしています。
この記事によると、予備校業界の動向は、大手予備校と塾・語学教室、
通信教育と言った異なる教育手法で連携をして面で抑えていくような動きとなっていることが読み取れます。

小売業の業界でも進んでいる百貨店、食品スーパー、ディスカウントストア、ホームセンター
コンビニエンスストア強調文下線文、通販、ネット販売とあらゆる方法で消費者を囲い込むオムニチャネル戦略を
取っているかのよう下線文な動きです。


そんな中、私が驚いたのが10月28日付の日経新聞に出ていた
「ナガゼ、早稲田塾を買収」と言う記事です。

なぜ驚いたかと言うと、たまたま私は高校生の時に早稲田塾に通っていたためです。
この「塾」は当時、高校生・浪人生に一般的だった予備校と比べて、
「塾」であることに拘っていました。
授業は1回30名前後で行われ、クラス分けもきめ細かく行われていました。
生徒は現役高校生のみ。現役生の塾に拘っていました。
また、塾講師と別にスタッフも多く、指導も丁寧だったように記憶しています。

コンサルタントとなった今では、大手予備校に対抗した逆張り経営をしていたことが分かりますが、
こうした特徴が分かりやすかったこともあり、順調に教室数を増やしていました。
近年はアドミッションオフィス入試、いわゆる推薦入試対策も力をいれています。

私は高校生の頃にいた実家はすでに出ていますが、現在の私の住まいの最寄駅にも
新たな教室ができており、教室数も増えています。今後の拡大も楽しみにしていました。

そうした中で、東進ハイスクールを展開するナガセが12月1日付で全株式を取得するとのこと。

東進ハイスクールは他社に先駆けて人気講師の授業を衛星中継で提携先に提供するという
サテライト授業を強みとしてきました。

私が受験生の頃は、まだこうしたサテライト授業が浸透する前でしたので、実体験ではないですが
体験した人に聞くと、地方でも東京の人気講師の授業が学校で受けられて良かったと言う風に聞きます。
経営的にも一教室に何百名というレベルではなく、全国の受験生という桁違いの人数を対象に授業ができることで
新たなビジネスモデルを確立したと言えます。

現地での個別指導に強い早稲田塾と、人気講師のサテライト授業を強みとする東進ハイスクール。
両社の強みを活かした非常に面白い組合せになるのではないでしょうか。

教育業界のオムニチャネル化の流れ、しばらくは注視する必要がありそうです。
そして、こうした潮流で勝ち残るための手段としてのM&Aはますます加速するでしょう。



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売れる会社にするために

早いものでこのブログを始めてから丸三年が経ちました。

ブログを始めてからも日々M&Aの仕事をしていますが、守秘義務の関係があり、
なかなか実際の内容を書くことはできません。

しかし、ブログを見ているよ、と声をかけて頂けることが励みとなって
気が付けば3年が経っていました。
ご覧頂いている方にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

この機会に、自分の仕事を振返ってみたいと思います。

(1)売れる会社は少ない

M&Aの仕事を始めてからつくづく思うのですが、売れる会社はそれほど多くない、
と言うのが私の偽らざる実感です。
正確にいうと、「いきなり」売れる会社はそれほど多くないということです。

私どものクライアント企業様はオーナー企業が多いため、外部の眼に会社を見せる機会はありません。
そのため、外部からの評価について慣れていない企業が多いのです。

いきなり売れない会社には、以下のような特徴があります。

・顧客:少数の特定顧客への依存度が高い。極端なケースでは1社のみ。
・人材:特定のキーマンへの依存度が高い。例、社長しか営業をしていない。
・商品・サービス:特定商材サービスへの依存度が高く、改良ができていない。
・カネ:借入が多い。資金繰りに窮している。
・情報:自社の強み、弱みが答えられない。

おおざっぱではありますが、上記の項目に全部該当する会社は
仮に、自社の売却を検討したいと言ってもすぐには難しいと思います。

買手企業の事業シナジー次第ではないか、というのは理屈としてはありますが、
買手企業はシビアです。シナジーの前に単体評価(スタンドアロンバリュー)が問われます。

弊社も色々な企業様から売却のご相談を頂きますが、ご相談頂いて
お相手探しまで具体的に進むのは10社のうち、1社から2社程度というのが実感です。

(2)売れる会社にする方法はある

(1)でいきなり売れない会社の特徴を挙げましたが、売れる会社にする、していく方法はあります。
外部の眼から見ても、良い会社だ、良い会社にするための手を打っていると感じられるようにすることです。
これは(1)の特徴の逆の状態にすることです。

・顧客:顧客を増やす、顧客の分散をする
・人材:製造、サービス、営業、管理とそれぞれの機能で特定の人に依存しすぎないようにする
・商品・サービス:商品開発、リニューアルをする、付加価値を上げる
・カネ:借入を計画的に減らす、資金繰りを改善する
・情報:自社の強み、弱みを整理する

これは、すなわち社長の個人商店ではなく「会社」となっていると言うことです。
これらがいきなり全部そろった会社はなかなかありませんが、
現状を把握して、改善しよう、良くしようと、まずは考えることが重要です。

買手企業が恐れるのは、買収後に事業継続できなくなるリスクです。
そのためには、人、モノ、カネ、情報の面で事業継続ができる体制になっていることが必要なのです。

(3)今後やるべきこと

私は元々経営コンサルタントとして、現在のM&Aの仲介事業を始めました。
当初は会社を良くするための経営コンサルティングと、そうした会社の売買を行うことで
立場が違ったように感じ、違いを感じることが多かったのですが、
M&Aのビジネスを進めるにつれて、本質は一緒だと言うことに気づきました。

それは、「売れる会社」=「良い会社」=「きちんとした経営のなされている会社」
という当たり前のことなのです。
きちんとした経営とは、(2)で説明をした分散、手順化、整理のできている会社のことです。

いきなり売れる会社は無いという書き方をしましたが、現状を認識した上で、
経営改善をしていけば、良い会社になります。

そうして良い会社になったら、その会社は売れることになるでしょう。
その時は、外部によるM&Aではなく、親族以外の役員や従業員が「自分たちがやりたい」
ということになるかもしれません。
事業承継という観点から考えるとこうなることは、一つの成功だと思います。

経営コンサルティングM&Aに関わるものとして、「売れる会社」づくりを通じて
経営を良くするお手伝いをしたいと思っています。



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市場消滅とM&A

私は音楽が好きです。
と言ってもいわゆるポップミュージック(この言葉は死語かもしれませんが)やロックです。
中学生の頃にバンドブームがあり、ギターも始めました。
たまにまだ弾いていると言う位の普通の音楽好きだと思います。

振返ってみると、音楽を聞くというのは変化の歴史でした。

小学生の頃は、実家の居間のステレオでLPの紙ジャケットからLPレコードを出して
テープにダビングをして聞いていました。

中学生になると、CDが発売されました。大きなLPレコードの売り場がレコード店から
だんだんと狭くなっていき、コンパクトなCDの売り場が広くなっていきました。
何十万円もするCD、レコード両方搭載型の大型ステレオが私の憧れでした。

高校生になると、レコード売場自体、姿を消していきました。
また、当時は外出の際はいわゆる「ウォークマン」でカセットの音源を聞いていました。

大学生後半からは、MD(ミニディスク)が出てきて、CD音源をダビングして聞くようになりました。
レコードはDJ(ディスクジョッキー)がオシャレなクラブでかけるものという風に変わっていきました。

そして、社会人になり、しばらく音楽を聞かなくなりました。
そしてこの何年か、スマートフォンを買ってからはスマホで通勤の途中に聞いています。

前置きが無くなりましたが、今回のタイトルは「市場消滅とM&A」です。
不穏なタイトルと、自分の昔を振り返っていますが、
これは、9月17日(水)の日経新聞の「パイオニアAV手放す」という記事を読んだためです。

この記事によると、オーディオ御三家のパイオニアは家庭用AV(音響・映像)機器事業の分離及び
DJ向け機器事業の売却方針を発表したとのことです。
併せてグループ従業員の1割にあたる2,200人の削減計画も明らかにしました。
オーディオ機器市場は88年の6,620億円をピークに、2013年には6分の1以下の
1,017億円にまで縮小をしているとのこと。
御三家の山水電気は2014年7月に破産手続き開始決定、
ケンウッドは2008円に日本ビクターと統合してJVCケンウッドとなりました。


経営には様々なリスクがありますが、私は最も恐ろしいのはこの市場消滅だと思います。
技術革新、顧客の嗜好の変化、代替品登場によって、これまでのお客様が自社の存在すら忘れてしまう位、
圧倒的なスピードでお客様が減っていくのが市場が消滅するということなのです。

そして私が申し上げるまでもありませんが、これらの変化のスピードは加速し
色々な分野へ広がっています。
変化の先取りをして、スピーディーな手を打っていかないと生き残っていくこと事態が難しくなっています。

今回のような記事を取りあげたのは、M&Aの仕事をしていると、このように市場が消滅しかけている分野の
企業からのご相談が増えていると感じているからです。

手を打てる企業もあれば、残念ながら難しいという企業もあります。
いずれにせよ、今後こうした市場の変化のスピードは加速し、更に新たな市場が生まれていくでしょう。

私は変化に対応し、新たな市場を創っていくM&Aをお手伝いしたいと思っています。
パイオニアの記事を見て考えたことを述べさせて頂きました。
プロフィール

森 利彦

森 利彦 早稲田大学商学部卒業。
小売業、リース会社を経て、NIコンサルティング入社。
250社以上の可視化経営に関わるコンサルティングを実施後、教育研修事業、M&A事業に携わる。
中小企業診断士 PHP研究所認定ビジネスコーチ。

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